私のブログはコロナの最中にNHK番組“せかほし”第2回目の制作でイギリスへ行って以来になります。良い意味でも悪い意味でも大変な経験でした。
NHKは常に視聴率を気にして番組を制作します。初回の“せかほし”は視聴率5%でした。
私はそれを聞いた時に“あんなに時間を掛けて制作した番組がたったの5%なのか” とがっかりしたことを覚えています。
ところがこの5%とはなんと600万人が見ていると聞いてびっくりしました。
私が毎朝見ているNHKの朝ドラは16%以上の視聴率です。計算上は2000万人以上の人が毎朝見ていることになります。
ちなみに朝ドラの歴代最高の視聴率は1983年放映の“おしん”で最高 62.9% を記録しています。当時ほとんどの日本人が見ていたと言っていい視聴率です。
朝ドラは半年ごとに前期はNHK東京放送局、後期はNHK大阪放送局が制作していますが、今放映中の“ブギウギ”は大阪放送局によるものです。私はNHK大阪制作の朝ドラの方が面白いと思います。過去の“まんぷく”や“マッサン”もNHK大阪によるものでした。
ブギウギは大正の終わり、昭和初期から戦前と戦中を舞台にしています。
主人公のすず子が喫茶店でお茶を飲むシーンがたびたびありました。その際に使用されているのは、ブーツ社のリアルオールドウイロー(Booths – Real Old Willow)の食器です。
ブーツ家は1850年代にスタッフォード州タンズトールで陶器工場を開き、代々続いた長い歴史を持つ名門陶器メーカーでした。当時多くの陶器工場がブルーウイロー柄を製造していましたが、その中でも最も知られたのがこのREAL OLD WILLOW, まさに
これこそが本物のウイロー柄と言えるものでした。
Real Old Willowは1906年から製造されていますが、イギリスで今見掛けるのはほとんどが
1944年から1981年に製造されたものです。
“ブギウギ”ですず子が使うReal Old Willow は当社が販売する1950年代以降のものではなく、1921年から1944年まで製造されたものとカップのハンドル形状で判断ができます。
時代考証が正確なNHKはそこまで理解をしてこの食器を選んだのでしょう。
戦前、戦中の場面に戦後の食器は使用ができないのです。